前々回は母音の解説をしました。⇩
前回、単語の中におけるアクセントについて解説しました。⇩
☝まだ読んでいない人は、必ず読んでから今日の記事をお読みください。
前回の記事で
英語は、
アクセントのある音節は、はっきり大きく発音し、
アクセントのない音節は、弱くあいまいに発音する。
「弱くあいまいに発音」というのは、
ə、 ɪ、ʊのいずれかで発音するということ。
中でも一番頻度が高いのが、ə。
だから、あいまい母音əの発音を練習すると、
発音が上達する!
とお話しました。
例えば、Americaという単語は、
A・mer・i・caの4つの音節に分けられ、
2つ目の音節"mer"の部分にアクセントが来るので、
"mer"の母音"e"はしっかりと/e/と発音します。
反対に、アクセントのない他の3つの音節は
あいまいに/ə/や/ɪ/と発音します。
発音記号はこうなります⇩
/əmérɪkə/
今日は、さらにステップアップして、
文の中のアクセントについて解説します。
日本語で「またあした」と言ってみてください。
平たんでどの音も同じ強さ、同じ長さですよね?
例えるとこんな感じ⇩
一方、英語で"I'll see you tomorrow'と言うと、
"see"と"tomorrow"が強くて長く発音されて、
音に抑揚がありますよね。
例えるとこんな感じ⇩
単語の中にも、
アクセントがある音節とそうでない音節があったのと同じで、
文の中でもアクセントのある単語とそうでない単語があります。
アクセントのある単語は強くそして長く発音し、
アクセントの無い単語は弱くあいまいに短く発音します。
だからリスニングでも聞こえにくい単語があるわけです。
どんな単語にアクセントがくるのか?
Content word(内容語)・・・その単語自体で意味を成す単語
以下に挙げるcontent wordにはアクセントを置くので、強く、長く発音します。
- 名詞
例:kitchen, John, dog - 動詞
例:visit, construct, talk - 形容詞
例:beautiful, interesting, amazing - 副詞
例:often, carefully, happily - 指示詞
例:this, that, these, those - 疑問詞
例:who, when, why - 否定語
例: don’t, can’t, aren’t,not , never
どんな単語はアクセントがこないのか?
Function word(機能語)・・・文法的役割以外があるだけで、その単語自体では意味を成さない単語
以下に挙げるFunction wordにはアクセントがこないので、弱く、短く、あいまいに発音します。
- 冠詞
例:a,an, the, some, a few - 前置詞
例: to, of, in, for - 代名詞
例: I, me he, him, it - 所有代名詞
例:my, his, your - 関係詞
例:who, that, which - 一般的な接続詞
例:and, but, while, as, if - 助動詞
例:will, would, should, can, may. - be動詞
例:is, was, am, are
≪例外≫ただし、以下の場合は強く発音されます
①文章の最後に来るとき
例: I thought he was smarter than he is.
②付加疑問で使われるとき
例: All movies aren’t made in Hollywood, are they?
さっきの"I'll see you tomorrow"の文も、
content word、function wordの知識を当てはめて考えると納得です。
I:代名詞→機能語(F) →弱く短く発音
will:助動詞→機能語(F) →弱く短く発音
see:動詞→内容語(C)→強く長く発音
you:代名詞→機能語(F) →弱く短く発音
tomorrow:名詞→内容語(C)→強く長く発音
(特にアクセントのある音節"mo"の部分を強く発音します)
アクセントがこない語(機能語)をどう発音するのか
これまで、機能語はアクセントがこないので、
弱く、短く発音するとお話してきました。
いかにも機能語が重要ではないかのように聞こえたかもしれませんが、
めちゃくちゃ重要です!
なぜなら、英語で最も頻繁に使われる語ランキング1~10位を見てみると
・・・ the, of, and, to, an, in, that, it, is, I
全部機能語じゃないかーーーーーーー!!!!
私たちが話したり書いたりする英語の25%がこれらの単語らしいです。
話す英語の25%が上手に発音できたら
かなりかっこよく発音できるようになるはず!
ということで、これらの機能語が実際、
どういうふうに弱く短く発音されるのか、
きちんと学んで練習することが非常に重要です。
それでは、詳しく見てみましょう。
頻繁に使われる機能語の発音
・"a"
強調して読まれると /ey/ だけど普通は /ə/ と発音されます。
例: in a car
/ın ə kάːr/
・"an"
強調して読まれると /æn/ だけど普通は /ən/ と発音されます。
例: get an egg
/gét ən ég/
・"and"
強調して読まれると /ænd/ だけど普通は /ən/ と発音されます。
例:high and low
/hái ən lóu/
・"are"
強調して読まれると /ar/ だけど普通は /ər/ と発音されます。
例: two are ready
/túː ər rédi/
・"have" (動詞ではなく完了形で使われるhave)
強調して読まれると /hæv/ だけど普通は /əv/ と発音されます。
例:we have seen a lot
/wiː əv síːn ə lάt /
・"had"(動詞ではなく完了形で使われるhad)
強調して読まれると /hæd/ だけど普通は /əd/ と発音されます。
例: I had been thinking
/ái əd bın θíŋkiŋ/
・"has" (動詞ではなく完了形で使われるhas)
強調して読まれると / hæs/ だけど普通は /əz/ と発音されます。
例:he has gone
/hi əz gɔn/
・"of"
強調して読まれると /av/ だけど普通は /əv/ と発音されます。
例 three of us
/θríː əv ʌs/
・"or"
強調して読まれると /ɔr/ だけど普通は /ər/ と発音されます。
例:one or two
/wʌ́n ər túː/
・"that" (関係代名詞と接続詞のthat)
強調して読まれると /δæt/ だけど普通は /δət/ と発音されます。
例: those that agreed
/δouz δət əɡríːd/
・"the"
強調して読まれると /δiy/ だけど普通は /δə/ か /δı/
例:on the right
/an δə ráit/
・"to"
強調して読まれると/tuw/ だけど普通は /tə/ と発音されます。
例: five to two
/faiv tə túː/
・"was"
強調して読まれると /waz/ だけど普通は /wəz/ と発音されます。
例: he was late
/hi wəz leit/
・"can"
強調して読まれると /kæn/ だけど普通は /kən/ と発音されます。
例:you can come to the party
/jə kən kʌm tə δə pάːrti/
以上が、主要な機能語の「弱く、短く、あいまいに発音」する方法でした。
実践問題
それでは、これまで習ってきた知識をフル活用してみましょう!
次の会話を見てください。
Content word(強く、長く発音する)のフォントを大きくしてあります。
そしてその単語の中でアクセントがる音節(最も強く発音する)の母音を赤字にしてあります。
それを参考にしながら、音読してみてください。
※つまり、Content word(大きなフォント)は強く長く、中でも赤字を強く長く、そして小さいフォントは弱くあいまいに発音してください。
A: How was the date with Anthony?
B: Hmm. It was not good.
He was late.
He missed the subway and he didn’t give me a call.
I waited for him at the station for one and a half hours!
A: I’m sorry to hear that,
but the restaurant that I recommended wasn’t that bad, was* it?
*be動詞は通常機能語ですが、付加疑問文の中は例外で強く発音されます。
B: It was awesome!
They had only one or two waiters,
but they were really nice.
And their spaghetti was fantastic!
A: Good! What did you do after that?
B: We went to a movie theater and we watched Harry Potter.
A: I heard it was a good movie! Did you like it?
B: Yeah, I did, but he told me that he had seen the movie after* we watched it.
*after(接続詞)は機能語ですが、この文では「映画を見終わった"後で"」と強調しているので特別に強く読みます。
A: Oh, he should have told you earlier.
B: I know, right?
I don’t think I’m going to see him again.
A: You can try again if you like him!
B: No, I can’t. He told me that he had a girlfriend…
どうでしたか?抑揚をつけると英語っぽく聞こえませんか?
私の声で申し訳ありませんが、サンプルです⇩
ゆっくり