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TOIEC985点を取得した元高校教員が、使える例文を用いながら、苦手な人にも分かりやすく英文法を解説します。

【高校英文法をやり直したい人必見】助動詞「can/could」を丁寧に解説!

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第5章 助動詞に突入しました。

 

助動詞とは、第1章で勉強した通り、

動詞の前に置かれて、
「できる」「でしょう」「かもしれない」など

話し手の判断や気持ちを付け加える品詞です。

can,will, may, mustなどがあります。

 

気を付けなければいけないのは、

助動詞がある場合は動詞は必ず原形というルールです。

○He can drive. 
×He can drives.

 

その中でも、最初はcan/couldから見ていきましょう。

can/could

以下のような意味があります。

 能力(能力や技能がある)

=be able to 動詞の原形

 例:She can speak English very fluently.
「彼女は英語をとても流ちょうに話すことができる」(現在)

=She is able to speak English very fluently.

例:I couldn't understand what he said.
「彼が言っていたことを理解できなかった」(過去)

例:We can deliver the products within two days of your order.
「ご注文から2日以内に商品をお届けできます。」

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f:id:chachachambo:20170411214237p:plain"can"と"be able to 動詞の原形"の使い分けf:id:chachachambo:20170411214237p:plain

基本的には両方とも「~できる」という意味で同じですが、
どちらかというと"can"の方が一般的です。

しかし"be able to動詞の原形"は
いろいろな形にできて便利です。

≪未来≫
〇I will be able to speak English next year.
「来年に英語が話せるようになるだろう」

×I will can speak English next year.

 

≪want to≫
〇I want to be able to speak English.
「英語が話せるようになりたい」

×I want to can speak English.

 

≪have to≫
〇I have to be able to speak English.
「英語が話せるようにならなければならない」

×I have to can speak English.

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f:id:chachachambo:20170411214237p:plain"could"と"was/were able to 動詞の原形"の違いf:id:chachachambo:20170411214237p:plain

どちらとも「~できた」という過去の意味ですが、
ニュアンスが違います。

couldは過去の一般的な能力を表します。

例:My grandfather could speak 5 languages.
「私の祖父は5か国語話せた」

一方、was/were able toは
過去のある特定の一回の行為ができた
というニュアンスです。

例:The fire spread through the buiding very quickly,
but fortunately everyone was able to escape.
「火はあっという間に建物に回ったが、
幸運なことに全員逃げることができた」

 例:We didn’t know where Eric was, but we were able to find him in the end.
「エリックがどこにいるか分からなかったが、最終的に見つけることができた」

 

もっと比較してみましょう

例:Mike was an excellent tennis player when he was younger.
He could beat anybody.
(=he had the general ability to beat anybody)
「マイクは若いこと素晴らしいテニス選手だった。誰だって倒すことができた」
(能力があった)

例:Mike and Pete played tennis yesterday. Pete played very well, but Mike was able to beat him.
「マイクとピートは昨日テニスをした。ピートは上手だったが、マイクはピートを倒すことができた」

まとめ

could過去の一般的な能力

was/were able to過去の特定の一回の行為ができた

というニュアンスです

 

そして、覚えておいてほしい違いがこれ…

couldは単に「~する能力はあった」
→実際にしたかどうかは述べていない

 例:He could run a full marathon.
「彼はフルマラソンを走る能力はあった」

→実際に走ったかどうかは不明

was/were able to動詞の原形は
「~する能力があり、実際にした」
という意味です。

 例:He was able to run a full marathon.
「彼はフルマラソンを走ることができた」

→実際に走った

例:I could have a good time.
「私は楽しい時を過ごすことができました」

→実際に楽しい時を過ごしたかは不明

むしろこの文章は
「楽しい時を過ごすことができたはずなのに・・・」
という感じが伝わります!

この文章、日本人が日本語から直訳して言ってしまいがち!
気を付けて!f:id:chachachambo:20170411214737p:plain

 例:I was able to have a good time.
「楽しい時を過ごすことができました」

→実際に過ごすことができた

(「楽しい時を過ごすことができた」と言いたい時は、
"I had a good time"でいいよ)

 

まとめ

couldは「~する能力はあったが実際にしたかどうかは不明」
was able to は「~する能力があって実際にした」

 

です。

が・・・例外があります(Sorry!)

知覚動詞(see, hearなど)や理解を表す動詞(understandなど)は

couldで「~する能力があり、実際にした」という意味になります。

例:From out hotel room,
I could see the lake
「私は彼が見えた」

例:I could understand what he said.
「私は彼が言ったことが理解できた」

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 可能「~できる」

(能力ではなく状況から判断して「できる」という意味)

例:Don't worry. I can visit you this afternoon.

「大丈夫、今日の午後会いに行けるよ」

 例:I can be reached by cellphone.

「携帯電話で連絡がとれるようにしてあります」

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可能性・推量「ありえる、可能性がある」

例:It can happen to you.

「君にも起こりうるよ」

例:Oh no! This cannot be true!

「えー!本当なはずがない!」

例:You could hurt somebody.
「誰かケガをさせることもありえるよ」
※過去ではない

例:This story could be true, but I don't thik it is.
「この話は本当である可能性もあるけれども、私はそうは思わない」
※過去ではない

 

注意!could=canの過去ではない! couldはcanの可能性の低い版!

point

以前、過去時制を解説したとき、こう説明しました。
過去時制は現在とは切り離された」感覚。
過去時制は実は「過去」を表すだけでなく、
「心の距離」「確信度」も表します
過去時制にすることで、
事実とは「切り離された」感覚になり、
「確信度が低い」ことが表現できます

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couldが過去の意味になるのは一つ目の●の「能力」の時だけ

 

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許可・同意「~してもよい」

例:Can I ask you a question?

「ひとつ質問してもいい?」

例:You can't tell anybody.

「誰にも言ったらダメだよ」

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依頼「~してくれませんか?」

例:Can you tell her that I will call her tomorrow?

「彼女に明日電話すると伝えてくれませんか?」

例:Could you help me?

「手伝っていただけませんか?」

 

point


過去時制は実は「過去」を表すだけでなく、
「心の距離」「確信度」も表します
過去時制にすることで、
事実とは「切り離された」感覚になり、
「心の距離感」の遠い感じを表します。
なので、
Can you help me?より、過去時制の
Could you help me?の方が、

心の距離感がある=
親しくない関係ではない=
丁寧な表現

というわけです。
 ※→canよりcouldを使うほうが丁寧

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couldが過去の意味になるのは一つ目の●の「能力」の時だけ

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canを用いた慣用表現

cannot be too careful
「どんなに注意してもしすぎることはない」
例:You cannot be too careful driving in the snow.
「雪道を運転する時は、注意してもしすぎることはない」

cannot help but do
=cannot but do
「~せざるをえない」
例:I cannot but regret the money I wasted on the movie.
「その映画に無駄遣いしたお金を後悔せざるをえない」
例:I cannot help but overhear your conversation but I think he is right.
「あなたたちの会話が聞こえちゃったんだけど、彼が正しいと思うよ」