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ばか丁寧な高校英文法

TOIEC985点を取得した元高校教員が、使える例文を用いながら、苦手な人にも分かりやすく英文法を解説します。

【高校英文法をやり直したい人必見】「時制の一致」を丁寧に解説!

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英語には、「主節の動詞の時制に、従属節の動詞の時制を合わせなければいけない」というルールがあります。

そのルールを「時制の一致」と呼びます。

 時制の一致の基本的考え方

「私は彼が正しいと思う」

I think that he is right.

この文章を過去の出来事にしてみましょう。

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「私は彼が正しいと思った」

 冒頭で言った「主節の動詞の時制に、従属節の動詞の時制を合わせなければいけない」というルールに従って、主節の動詞(thought)の時制(過去形)に合わせて、従属節の動詞も過去形のwasにしました。

要は、思ったのが過去なら思った内容も過去にするということです。

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もうひとつ例文を見てみましょう。

「彼女はフランスに行きたいと言っている」

She says that she wants to go to France.

この文章を過去の出来事にしてみましょう。

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ルールに従って、主節の動詞(said)の時制(過去形)に合わせて、従属節の動詞も過去形のwantedにしました。

要は、言ったのが過去なら言った内容も過去にするということです。

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おまけにもう一つ例文を見てみましょう。

「彼女はフランスに行ったことがないと言っている」

She says that she has never been to France.

この文章を過去の出来事にしてみましょう。

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現在形saysが過去形saidになったので、現在完了has never been toが過去完了had never been toになっています。

 

少しずつ時制の一致、分かってきましたか?

日本語にはない概念なので、少し飲み込みにくいかもしれません。f:id:chachachambo:20171115224623j:plain

時制の一致のルールはどんな文章にも使うわけではないのでやっかいです。

時制の一致を必要としない場合

・不変の真理

例:We learned that Australia has 6 states.

「オーストラリアには6つの州があると学んだ」

×We learned that Australia had 6 states.

オーストラリアの州の数は不変の真理なので時制の一致はしない

 

・習慣

例:He said that he always eats breakfast at 7am.

「彼は毎朝7時に必ず朝食を食べると言った」

×He said that he always ate breakfast at 7am

現在の習慣なので過去形にしない

 

・ことわざ.

例:She said that money comes and goes.

「彼女は”金は天下の回りもの”と言った」

×She said that money came and went.

Money comes and goesでことわざなので過去形にしない

 

・歴史上の出来事

例:We learned that the World WarⅠstarted in 1914.

「第一次世界大戦は1914年に始まったと習った」

×We learned that the World WarⅠhad started in 1914.

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でも実際は・・・ 

普通の文法書は、だいたいここまでしか書いてありません。

が!実際は、時制の一致ってそこまで気にしなくてもいいんです。

例えば

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「ジョンは仕事が面白いと言った」

John said that his job was interesting.

と聞いて、時制の一致のルールに従ってhis job was interestingになっているけど、現在は?まだ面白いの?面白くなくなったの?と思いませんか?

言った時も面白かったし、今もまだ面白いなら、時制の一致しなくていいです!!!

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Erin told me that she was staying at her sister's house.

「エリンは妹の家に泊まっていると私に言った」

と聞いて、現在はどうなの?今もまだ妹の家?と思いますよね。

エリンが私にそう言った時も妹の家に泊まっていたし、今もまだ泊まっているなら、時制の一致はしなくていいです。

Erin told me that she is staying at her sister's house.

と言えば、現在もまだ妹の家に泊まっていることが伝わります。

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冒頭で使った例文も同じです。

I think that he is right.でもいいですよ。過去に彼が正しいと思って、今もまだ彼が正しいなら。

She said that she wants to go to France.でもいいですよ。過去に「フランスに行きたい!」と言っていて、今もまだフランスに行きたいのなら。

She said that she has never been to France.でもいいですよ。そう発言した時にフランスへの渡航歴がなくて、今現在もまだ変わらず渡航歴がないなら。

 

海外の文法書にもこう書いてあります👇

It is not always necessary to change the verb in reported speech. If you report something and situation hasn't changed, you do not need to change the verb to the past.

要は、言った内容の状況が変わっていないのなら、律儀に時制の一致をして過去形にする必要はないといことです。